④ 再度もう1本の足の治療で入院生活の話

もう入院はごめんや

義足と車椅子生活でなんとか頑張っていた母ですが、今度はもう一方の左足にも問題が出てきました。
「最近また足が痛いわ…」って母がぼやき始めたんです。
だんだん足の色も少しおかしいなって感じになってきました。
「まさか、またあの時みたいなことになるんちゃうやろな…」って不安がよぎりました。

そしてまた、病院から、案の定「このままだとまた切断のリスクがあります」って医者から言われました。
もう、その瞬間、母も私たちも頭の中が真っ白になりました。
右足を切った時のことがフラッシュバックして、
母は「もうあんなこと、二度としたくないわ!」って泣き崩れてしまいました。
そんな母を見て、「今回は早めに治療すれば切断は避けられる可能性が高いです。入院してしっかり治療する必要があります」
と説明してくれたんですけど、
母は「また入院なんて、もうごめんや!」って頑なに拒否しました。

入院の決断をするのは本当に大変でした。
母は「病院の匂いも嫌やし、またあのベッドで過ごすなんて考えたくもないわ」って、
入院するなんて全く考えられない様子でした。
私たち家族も「おかんが苦しむ姿はもう見たくない」って思ってたんですけど、このままほっとくわけにもいかない。
「今度は早めに対処すれば大丈夫やから」って何度も何度も説得しました。
しかし、母の返事は「いやや!」の一点張りでした。
おそらく、母としては、ここで入院してしまうと、2度と退院してこれなと思ったんだと思います。
家で死ぬまで過ごしたいとはみんなが望むことですから。

何度も話し合って、私たちもどう説得すればいいか分からなくなっていたそんなある日です。
今日はどうやって説得しようか、、、と頭を悩ませながら実家のドアをあけました。

あさってから入院や

すると、母が何やら荷物をまとめている様子。
私が❓と見ていると、父が、もう入院することに決めてんて。と。
どうやら、前日に看護婦さんに説得されたようです。
私は気が抜けてしまいました。
あんなに私たちの説得には応じなかったのに、、、。

そうして入院生活が始まってからも、母はやっぱりちょっと気が重そうで、幻肢痛も相変わらずあるようです。
入院してからずいぶん腕も細くなり、元気もなくなりました。
どこか心細そうな顔をして、ぼんやりしてることも多いです。
あんなに食べることが好きだったのに、今は食欲もだいぶなくなりました。
そんな姿を見るのはやっぱり辛いです。

ただ、治療は順調に進んでいます。
完治することはないけど、進行をおさめることは出来ているようです。

母の入院生活はいつまで続くかわかりません。
私たち家族もできる限りお見舞いに行って、応援し続けています。
今の願いは、なるべく母が辛い痛い思いをせず、毎日を過ごしてくれること。

おかん、ごめんね、頑張ってね。

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